失った歯の機能を取り戻す
インプラント
虫歯や歯周病、事故などで実際に歯を失ってしまうと、十分に食事を楽しめることはもちろん、見た目や様々なものを失ったことに気づかされるかもしれません。
従来の治療では、「ブリッジ」や「入れ歯」が適用されることが多く、「違和感を感じること」や「堅いものが噛めない」、「口を開けて話すことや自然に微笑むことができない」ということもありました。
インプラントは、人間の生体に対して安全性の高い人工歯根を埋め込み、歯冠と歯根の両方を再生する治療法ですので、このような問題を抱える患者様に最も適した画期的な治療といえます。
スタンダードな治療になったインプラント
インプラント治療は37年前、北欧で開発されたものです。今ではインプラント治療は歯への関心が高い欧米各国で、ごく普通に行われています。もし歯科医が患者様に、治療法の選択肢としてインプラントを提示しなければ問題になるほどです。高齢化がすすみ、さらに人生と本質的に豊かに生きたいという人々が増えてきた日本でも、インプラント治療が急速に普及しています。
インプラントの素材
インプラントの素材には、現在では「チタン」が用いられています。
世界中の様々な研究結果から、チタンという金属が最も「生体親和性」があり、良いとされています。チタンという金属は、外科などの医療現場で骨折の固定ボルト等、ごく当たり前に使われている体に安全で最もアレルギーの少ない金属です。
1950年代初頭にスウェーデンのブローネマルク博士によって、純チタンが骨の組織とよく結合することが発見され、そのプロセスを「オッセオインテグレーション(osseointegration)」と名づけられました。
オッセオインテグレーションを採用したインプラント施術では、チタン製インプラントの歯根は徐々に骨に固着し、抜けた歯の周囲の骨の喪失が抑えられ、また、回復してくる事さえあります。
インプラントと他の治療方法の違い
インプラント | ブリッジ | 入れ歯(義歯) | |
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治療法 | |||
特徴 | 健康な歯を削る必要がなく、人工歯根がしっかりと固定されます。他の歯に依存せず、他の歯への負担がありません。咬合力が強く、外観も不自然さがありません。天然の歯と変わらない噛み心地があります。 | ブリッジを支える両隣の健康な歯を削る必要があり、噛み合せの時に両隣の歯に負担がかかります。部分入れ歯に比べると、安定しており、噛む力も回復し、天然の歯に近い噛み心地があります。 | 取り外し可能なので、両隣の健康な歯を削らずに済みます。バネで両隣の歯に止めるため、不安定で噛む力は弱くなり、両隣の歯に負担がかかります。バネが目に付き、見た目は今一つの場合もあり、噛み心地も違和感があることがあります。 |
インプラント治療の流れ
Flow01診査診断
模型やレントゲンなどによる十分な診査診断を行い、患者様のための治療プランをいくつか提案します。 この時にインプラント手術の内容、治療期間、費用など詳しくご説明いたします。
Flow02インプラント手術
患者様個人に応じたインプラント体を選択、歯がない所へ植立する1次手術を行います。手術時間は本数にもよりますが1時間前後で終了します。
術後の痛みは、個人差がありますが、ほとんどの方は1~2日で楽になります。
Flow03人工歯の取り付け
1次オペ後、インプラント体が顎骨にしっかりと結合するまで2〜6か月ほど待ち、その後、インプラント体の頭部を歯肉の上に露出させる2次オペをする場合があります。
インプラント体の上にアバットメントという土台を取り付け、その土台の上にセラミックなどの人工歯を取り付けます。
Flow04メインテナンス
インプラント治療後は正しいホームケアを行う事とともに、定期的に歯科クリニックでのプロフェッショナルケアが非常に大切です。
インプラントを少しでもより長く、より良い状態で使っていただくためには、3〜4か月に1回は定期検診と共にプロフェッショナルケアを行う事をお薦めします。
当院のインプラント治療
単純インプラント
インプラントとは歯を失った部分に人工歯根を埋め込み、その上から人工歯を装着する方法です。チタン性の人工歯根は顎の骨と強く結びつく性質があるため、天然歯に近いかむ力を得られます。
他にも自然な口元を演出したり、他の歯にダメージを与えたりしないなどさまざまなメリットがあります。
- 治療期間・治療回数
- 3~6か月・10~15回
- 料金(税込み)
- 363,000円~407,000円
-
メリット
- 人工歯根によりしっかりと噛めるようになる。
- 周囲の歯を削る必要がほとんどない。
- 骨に人工歯根を埋入するため、かみ合わせが安定する。
- 噛む力の衰えを防ぐ。
-
デメリット
- 保険外診療のため、治療費用が高くなる場合がある。
- 外科手術が必要になるため、患者様に体力的な負担がかかる。
- 段階的に治療を進めていくため、治療期間が長くなる。
- 術後に痛み・腫れ・出血・合併症を伴う可能性がある。
- 術後も定期的なメインテナンスをしないと、機能が落ちやすくなる。
- 処置した個所に食べ物が詰まりやすくなる。
All-on-4(オールオンフォー)
埋め込む手術が一般的従来、総入れ歯をお使いの方や多くの歯を失った方にインプラント治療を行う場合、骨を移植したり、インプラントを入れる数も10~14本でした。 そのため手術時間が長くなり、術後の腫れ、痛みも大きく、費用も高額になるという欠点がありました。
All-on-4コンセプトの治療法では、インプラントを骨のある部分に均等に埋め込み、力を均等に配分することにより、最小4本で12本分の人工の歯を支えることが可能になり、 インプラント治療のデメリットである「治療期間」「経済性」「審美性」「外科的侵襲」などの患者様にかかる多くの負担を軽減した治療法といえます。
All-on-4は埋め込むインプラントの数が最小4本、骨の移植なども必要ありません。
抜歯からインプラントの埋め込み仮歯の装着まで、1日で行うことが可能になりました。 つまり、今まで使用していた歯や入れ歯が手術当日まで使え、その夜には新しいインプラントで支えられた仮歯で食事をとることができるのです。
- 治療期間・治療回数
- 3~6か月・10~15回
- 料金(税込み)
- 片顎 2,200,000~2,750,000円
(※4~6本で上部構造物を含む)
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メリット
- 入れ歯のようにガタつくことがない。
- 健康な歯を傷つけない。
- 最小限のインプラントの本数(4本)で治療可能。
- 従来の治療法と比較して費用負担が少ない。
- 治療回数・期間が極端に短い。
- 腫れや痛み治療時間を軽減できる。
-
デメリット
- 自費診療のため、保険が適用できない。
- 症例によりAll-on-4で治療できない場合もある。
料金について
基本のインプラント治療 | CT撮影 | 11,000円 ※当院で埋入の場合は無料 |
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1次オペ | 1本 198,000~231,000円 | |
2次オペ | 1本 11,000円 | |
土台(アバットメント) | 1本 55,000円 | |
上部構造物 | 1本 99,000円 | |
仮歯(プロビ) | 1本 11,000円 | |
オプション | ガイドデント(10年保証) | 1本 22,000円 |
骨造成 | 1本 33,000〜110,000円 | |
ソケットリフト | 1本 55,000円 |
※料金はすべて税込みです。
インプラントのよくある質問
- インプラントって新しい技術?
- チタン歯根を利用したインプラント術が欧米で最初に用いられたのは1960年代。
日本では新しい技術のように思われがちですが、その効果は歴史的に証明されています。 - 手術の際は入院が必要?
- 治療する箇所や本数によって様々ですが、局所麻酔で行う手術なので、入院の必要はありません。
インプラント手術に要する時間的な負担は、抜歯治療と同じ程度と考えてください。 - 治療後のケアは?
- セラミックの歯は歯垢が付きにくく、手入れしやすいので特に神経質になる必要はありません。
歯ブラシと歯間ブラシなどで常に清潔を心がけることで、インプラントは長期にわたって使い続けることができます。 - インプラントに使われる素材は体に安心?
- 通常、人口歯根は歯槽骨と融合しやすいチタンを、その上の支台には硬質合金を用います。
人口の歯はセラミック製のものが一般的ですが、ご希望に合わせて硬質プラスチックや貴金属を用いることもあります。